A DAY IN MY LIFE

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2002/08/31/Sat.
▲晴れ。暑い。
▲ついに8月も終わり。でも、ぜんぜん夏を楽しめなかった。って去年もそう思ったような気もする……。
▲例年、だいたい、この頃、調子が悪くなる。今年もそうで、午前中は起きあがれなかった。
▲上石神井→吉祥寺。吉祥寺に行ったのはしばらくぶり。よく行っていた店が二軒なくなっていた。移転したのか、つぶれたのか。悲しい。
▲その代わり、ハモニカ横丁にこぢんまりとした店ができていて、そのうちの一件に入ってみる。新宿のゴールデン街同様、世代交代しつつあるというか。面白いのは、ハモニカ横丁に限ってはエスニック化が進んでいること。それも、日本人による日本人のためのエスニック料理、雑貨店。ハモニカ横丁にはアーケードがあるので、フィリピンのバギオという街のマーケットを思い出す。薄暗さといい、おいてあるものといい、カウンター風の屋台料理屋といい、印象がよく似ている。
▲井の頭公園の夕暮れはいつみても幸福感が感じられる風景だなと思ったり。
▲赤城耕一さんの新刊『ドイツカメラへの旅』(東京書籍)を読みはじめる。「アサヒカメラ」誌の取材でライカ、ローライなど、世界のビッグブランドの「聖地」たる工場を訪ねたレポート。赤城さんとは『使うM型ライカ』『使うオリンパスOM』(ともに双葉社)という二冊の本で、編集者としておつきあいいただき、「季刊クラシックカメラ」でも毎号、ご活躍いただいている。『ドイツカメラへの旅』はこれまでの赤城さんの著書や記事よりも、たっぷりとした分量のテキストが盛り込まれているので「赤城節」をじっくりと堪能できる。一気読みはちょっともったいないので、少しずつ読むことに。


2002/08/30/Fri.
▲晴れ。暑い。
▲だるい。夏の終わりを身体で実感。
▲外山ひとみ『MISS・ダンディ 男として生きる女性たち』(新潮社・99年・品切れ中)を読みはじめる。新刊当時に買って読まないままでいた。外山ひとみの写真は、キヤノンの広告で知った。本書にも掲載されている海の岩に腰掛けている二人の青年のモノクロ写真。そこに写っている青年が女性だとはどうしても思えなかった。本書はタイトルの通り、肉体的には女性として生まれたが、心は男性、という人たちの写真とルポがまとめられている。最近では性同一性障害という言葉も知られるようになり、性転換後、男性選手として登録が変更された競艇選手のニュースも話題になった。本書に登場する人々は、そうした世間の理解がある以前から、この問題に直面してきた。そのライフストーリーを読み、彼らの写真を見ると、自分の世間が狭かったことを感じる。


2002/08/29/Thu.
▲晴れ。暑い。
▲仕事そっちのけで小池真理子『墓地を見おろす家』(角川ホラー文庫)読了。怖すぎる。夏はホラーですな。
▲福井晴敏『川の深さは』(講談社)読了。乱歩賞受賞作『トゥエルブY.O.』(講談社)よりも好きだ。理由は、広げた風呂敷のサイズがこじんまりとしているところ。地味だがきらりと光っている。偏愛に値する一作。爽やかな幕切れもいい。
▲久しぶりに新大久保スンデ家。ワールドカップ以来だが、常の通りにぎわっている。deptrai氏と氏の仏在住の若い友人Yくんと。チュニジア料理店ハンニバルへも久々に。いまHP見たらモンデール待ち受け画面だって?
▲【アルカリ】は映画『ウィンドトーカーズ』について書いた。さっそくメールでジョン・ウーが女性版『フェイス/オフ』を企画しているとの情報をA女史から教えてもらった。


2002/08/28/Wed.
▲晴れ。暑い。
▲午前中、藤沢へ。サンダー平山さんへ原稿依頼。
▲東雅夫さんの『ホラー小説時評 1990−2001』(双葉社)に刺激されて、小池真理子『墓地を見おろす家』(角川ホラー文庫)。「モダンホラーの傑作」とか。たしかに怖い。旦那の女房に自殺された元不倫カップルの夫婦が、墓地と火葬場に隣接する高級マンションを格安で購入する。ところが、そこには悪霊が……。一見、幸福そうな家庭が恐怖にさらされる話、大好きだ。
▲午後、打ち合わせ1件。10月19日発売予定の『季刊クラシックカメラ別冊 ベッサR2S/R2C』(仮)の原稿依頼が終わり、一息つく。
▲『墓地を見おろす家』半分まで読んだところで、編集部に置き忘れてしまう。ショック。仕方なく、帰りに横山秀夫『動機』(文藝春秋)を買って読みはじめる。よくできたお話。作者の小説が盛んにドラマ化されるのもよくわかる。
▲お気に入りの高田馬場kupukupu。Iさんと新宿。眠くて眠くてしょうがなかった。仕方なく、◎◎さんにピッタリの資格を考え、資格取得のための講座を開設、一儲けしようと邪悪な思いつき。酔っぱらいの戯れ言、久しぶりって感じ。
▲最近、周りに粘着質の人が増えているような気がする。


2002/08/27/Tue.
▲晴れ。
▲「季刊クラシックカメラ」色校チェックに来て下さった著者の方々に10月19日発売予定の『季刊クラシックカメラ別冊 ベッサR2S/R2C』(仮)の原稿依頼、打ち合わせ。バタバタと数件、立て続けに。カメラ研究家の豊田堅二さんと初めてお会いする。ご持参いただいたステレオニッコールレンズを見せてもらいながら、ニッコールSマウントのお話などうかがう。
▲電池切れ。帰宅。「気の森」校正。続いて、昨日取材した牛波さんのインタビュー記事(これも「気の森」)を仕上げ、送信。書いていて楽しい気分になる。
▲就寝前に『ホラー小説時評 1990−2001』(双葉社)読了。もう終わりかと、ちょっと寂しい気分に。ぜひ次の10年も──って気が早いか。現在、東さんは「小説推理」に時評を連載中。もちろん、オンライン書店bk1ホラーサイトでもブックガイドが読める。本書は読みたい本がたくさんできる本です。


2002/08/26/Mon.
▲晴れ。
▲東芝本社ビルで詩人、現代アーティストにして、この秋、はじめての劇場用監督作品が公開される牛波(ニュウ・ポ)さんにインタビュー。映画は『王様の漢方』。タイトル通り、漢方がテーマ。漢方を体験しようと万里の長城を訪れる日本人たちと、漢方医の姿を描いたもの。なぜ漢方? というあたりを訊く。牛波さんのライフ・ストーリーも興味深く、あっという間に時間が経った。プロデューサーであり共同脚本にも名前を連ねている江戸木純氏に同席いただく。インタビューは「気の森」(BABジャパン)誌のためのもの。
▲『季刊クラシックカメラ別冊 ベッサR2S/R2C』(仮)のデザイン打ち合わせ。しばらくこの仕事で忙しい。
▲「季刊クラシックカメラ」色校出校。
『ホラー小説時評 1990−2001』(双葉社)を少しずつ読み薦めるのが楽しい。


2002/08/25/Sun.
▲曇り。
▲仕事帰り、新井薬師、高円寺、野方を徘徊。学生の頃、西武柳沢と中井に住んでいたことがあったので、西武線沿線のことはよく知っているつもりだったのだがいろいろと発見があって楽しい。よく考えると、学生の頃には写真を撮る習慣がなかった。カメラを持って街を歩いていると、見えてくるものが違ってくる。
▲疲れ切って就寝。


2002/08/24/Sat.
▲スキャニング、サムネイル描き。超特急で『季刊クラシックカメラ別冊 ベッサR2S/R2C』(仮)を作らなければならないので。
▲映画『ウィンドトーカーズ』敬愛する映画監督、ジョン・ウーの最新作。『MI2』でズッコケたウーだが、『ウィンドトーカーズ』はジョン・ウー的世界が展開されていて満足。俺が考えるジョン・ウー作品とは、友情、家族など、人間関係の絆をベースに、魂の昇華を描くもの。第二次世界大戦の白兵戦の中に、ドラマチックな男の世界が展開される。不満がないわけではないが、最近、ドラマが成立していないハリウッド映画ばかりだとお嘆きの貴兄におすすめ。


2002/08/23/Fri.
▲晴れ。
▲10月19日発売予定の『季刊クラシックカメラ別冊 ベッサR2S/R2C』(仮)企画会議。内容が固まる。原稿依頼、打ち合わせのアポ取りなど。ベッサR2S/R2Cとは、フォクトレンダーの新製品。ベッサR2をベースに、ニコンSマウント、コンタックスCマウントを採用したもの。一般には同じマウントとして扱われることも多いが、実は微妙に企画が違う。広角域では問題はないらしいが、望遠域では距離計連動にズレが生じるという。そこで二種類を同時発売する。いずれのマウントのレンズも「名玉」が多いが、肝心のボディーが実質的に1950年代で製造を中止しているので(旧ソ連製のキエフのみ、80年代まで製造されていた)、レンズを撮影に使いたい向きにはベッサR2S/R2Cの登場は福音となる。このムックでも、レンズのテストリポートに紙幅を割く予定。お好きな方はご期待下さい。
『フェルマーの最終定理』(新潮社)読了。訳者あとがきまで含めて感動の一冊。数学嫌いのぼくでも面白く読めた。文系人間を自認する方にもおすすめしたい。


2002/08/22/Thu.
▲晴れ。
▲谷間。ややお休み気分。コチョコチョとブックガイドの原稿を書いては直す。あとはあちこちへ電話したり。安原顯さんと電話で話し「もらい怒り」。
広告農場を訪れ、ひさびさにグラフィック・デザイナーの紺谷宏明さんと会う。紺谷さんは、社会人になったばかりの頃、ぼくに仕事の進め方やデザインのことなどを教えてくれた師匠の一人。拙著の装丁もお願いした。この日は鯛飯とカラオケ。ケツメイシってはじめて知った。歌は聴いたことがあったけど。


2002/08/21/Wed.
▲晴れ。涼しい。
▲ブックガイドを一本、仕上げて送る。江戸川乱歩賞受賞作、三浦明博『滅びのモノクローム』(講談社)
▲入稿終わり。休む間もなく、10月下旬に出す「季刊クラシックカメラ 別冊」の企画会議。ほぼ大枠が決まる。
▲夜は新宿。


2002/08/20/Tue.
▲台風による雨。昼過ぎ、台風一過。晴れ。涼しい。
▲入稿、えんえんと。妙に充実した午前中。そして、夜まで。いつものごとくだが、途中でホントに終わるのか? と思ったりする。夜はみんなでオリジン弁当ナリ。
▲その合間に『フェルマーの最終定理』(新潮社)をちょっとずつ読むのが楽しみだったりする。数式はすっとばしても、フェルマーの最終定理に挑戦してきた歴代の天才数学者たちのエピソードがいちいち面白い。


2002/08/19/Mon.
▲台風13号。雨。
▲朝から晩まで「季刊クラシックカメラ」の入稿に追われる。あっというまに夜。
▲「あいのり」を見て日常っぽさを取り戻してみたり。


2002/08/18/Sun.
▲晴れ。若干、台風が近付いている雰囲気が。
▲締め切りから2日も遅れてインタビュー原稿を書き上げる。柄にもなく悩んでしまった。直し直しして泥沼化。
▲現実から漫画喫茶に逃避。安原顯さんが日記の中で中条省平さんに薦められたと書いていた、古谷実『ヒミズ』(講談社)を読む。傑作。漫画を読んで久々に感動した。
▲主人公「住田」は中学三年生。両親は離婚。釣り堀をやっている母と二人暮らしだ。「普通に生きたい」が住田の口癖。でっかい夢なんかいらない。だって、自分は普通から滑り落ちそうだから。母は男をつくって家出し、父親は金をたかりにくるばかりか、600万の借金をこさえて、借金取りが主人公を訪ねてくる。劣悪な家庭環境。そして、住田にだけ見える一つ目の化け物。でも、彼にも友達がいた。金に執着心が強く、スリが趣味の夜野正造。なぜか主人公に好意を寄せる茶沢さん。しかし、住田はついに父親の頭にブロックを振り下ろしてしまう。
▲「笑い」はもうやめた、次は「不道徳」だ、というのが作者の言葉らしい。古谷実の出世作『稲中卓球部』を2巻で挫折したぼくだが、この『ヒミズ』全4巻は一気に読んだ。ダークな傑作。
▲TBS「情熱大陸」は写真家の三好和義。三好は高校時代に最年少でニコンサロンで個展を開き、大学在学中からマガジンハウスの雑誌でカメラマンとして活躍した早熟の才で知られる。番組中に紹介された「ブルータス」の記事に堀内誠一の署名記事があり、三好は堀内の薫陶を受けた最後の世代にあたるのかな、と妄想してみたり。


2002/08/17/Sat.
▲晴れ。
▲編集部出。ファックス送ったり、電話でやりとりしたり。
▲東伏見にCHUNG WAISUN(ERIC)を訪ねる。ERICは「季刊クラシックカメラ」次号で「New generation meets Classic Camera」という新人作家紹介のコーナーに登場してもらう写真家。作品はすでにいただいていたのだが、一点、掲載に難のある写真があったので、急遽差し替えをお願いする。差し替え用のカラープリントをもらう。ちなみにERICは東伏見北口の道をまっすぐ行った右手の西村カメラで働いています。
▲朝、ちょっとずつ本を読むのが好き。NHKの朝の連ドラ的読書というか。いまは福井晴敏の『川の深さは』(講談社)とハニフ・クレイシの『ぼくは静かに揺れ動く』(アーティストハウス・品切れ中の模様)。
▲前者は『トゥエルブY.O.』(講談社)の著者が『トゥエルブY.O.』で江戸川乱歩賞を受賞する前年に同賞に応募、最終選考で落選したという長篇小説。選考委員の大沢在昌が文庫版『トゥエルブY.O.』に寄せている解説でその舞台裏を書いていた。それで興味を持って読みはじめたのだが、地下鉄サリン事件をモデルに、その裏側の謀略を描く。しかし、主人公は中年の元刑事、そして、特殊な訓練を受けた青年と在日朝鮮人の美少女というカップル。「任務」という言葉が熱い。
▲後者は妻子を捨てて出ていこうとする中年男の逡巡。ま、平凡そのものの話なんだけど、著者はあの映画『マイ・ビューティフル・ランドレッド』の脚本家であり映画『ロンドン・キルズ・ミー』という監督作もあるインド系イギリス人。独特のムードは二本の映画に通じるものがあって、ちょっと面白い。


2002/08/16/Fri.
▲晴れ。日中は暑いけど、夜は涼しい。
▲へとへとになりながら、一応、「季刊クラシックカメラ」のポジ入稿をほぼ完了。連載記事の原稿もなんとか書き上げてデザイナー氏にメール。
▲焼き肉など。


2002/08/15/Thu.
▲晴れ。日中は暑いけど、夜は涼しい。
▲敗戦記念日。戦争も遠くなりにけり、の感がある。たぶん、去年もそう思った。戦後を意識している間はいいが、いつの間にか戦前だったなんてことのないように、とありきたりなことを思う。
▲高橋秀実『素晴らしきラジオ体操』(小学館)読了。同じ著者の『からくり民主主義』(草思社)がとても面白かったので、bk1に注文して買った。内容は、期待ほどは面白くなかった。ただ、ラジオ体操の元祖が、今世紀初頭の北米で保険会社がはじめた体操だというのは面白い。しかも、その体操ブームにニューヨークに研修留学中だった逓信省(現・郵政省)のエリートが目を付け、簡易保険の加入者を増やすために導入したという。全国各地にラジオ体操好き(信者といってもいいほど熱狂的である)がたくさんいるとうことも意外。『からくり民主主義』同様、突き放した書き方ながらユーモアが漂っていて含蓄がある。タッチの差で文庫化(小学館文庫)されたのはちょっと悔しい。でも、単行本の装丁と、造本も軽やかで良い。


2002/08/14/Wed.
▲晴れ。
▲お盆まっただなかという感じ。


2002/08/13/Tue.
▲晴れ。日中は暑いけど、夜は涼しい。
▲「季刊クラシックカメラ」の進行が押し迫ってきたので一日が早い。一通り、デザインに回せたところ。
▲宇宙的な妄想についてなど。
▲今年の江戸川乱歩賞受賞作、三浦明博『滅びのモノクローム』(講談社)読了。青空骨董市で安く買ったリールにおまけで付いてきた缶。その中には古い16ミリフィルムが入っていた。そのフィルムをめぐって犠牲者が出る……。戦前の特高警察の悪事と、個人情報保護法をはじめとした昨今の政治状況が重なり、いささか肌寒い思いもさせてくれるサスペンス。よどみない展開で一気読み。釣りがモティーフの一つになっていること、地方都市(仙台、日光)が舞台になっているところなど、地味な設定も新鮮に感じた。いい意味で新人作家の初々しさがあると思う。
ホームの写真を変えてみる。


2002/08/12/Mon.
▲晴れ。秋のムード漂う。夜は鈴虫の音。
▲「季刊クラシックカメラ」の原稿整理などであっという間に一日が終わる。
▲途中、Fくんと打ち合わせを兼ねたランチ。T嬢にその姿を目撃され、追求(何の?)を受けるがシラを切り通す。
▲夜は居酒屋。
▲サイモン・シン『フェルマーの最終定理』(新潮社)を読みはじめる。17世紀にフェルマーが残した数学史上最大の謎。3世紀に渡って幾多の数学者たちが挑んできたその謎がついに解けた──ノンフィクション。数学のことはさっぱりわからないが、変人たちがたくさん登場しそうな予感がして楽しみ。


2002/08/11/Sun.
▲晴れ。
▲ブツ撮りしたり、原稿を書いたり、領収書を整理したり。地道な作業。
▲買っただけで満足していた『知」の欺瞞』(岩波書店)をやっと読む。副題に「ポストモダン思想における科学の濫用」とある。ドゥルーズ、ボードリヤールといった大御所たちがいかに理科系用語をいい加減に扱い、あまつさえ、間違った科学知識を披瀝しているというショッキングな事実(少なくとも文系の人間にとっては)を暴く。ってゆうか、それ以前に、引用されている哲学者、社会学者たちの文章の意味自体がまるで読みとれない。大衆消費社会における一庶民としては縁のない世界。しかし「王様は裸だ!」と叫んでいる共著者二人の元気の良さには共感。


2002/08/10/Sat.
▲晴れ。暑い。
▲藤沢に原稿を取りにいったついでに、鎌倉へ足を伸ばす。江ノ電にはじめて乗った。乗降口で頭をぶつける。
▲十数年ぶりに大仏を見る。胎内に入る料金が20円というのが良い。
▲夕食はうどん。
▲新宿で『スターウォーズ エピソードII クローンの攻撃』を見る。好きな人にはたまらないんだろう。IよりIIの方が評判がいいらしいけど、俺はIの方が好き。
▲理由は、アミダラとアナキンの冴えないラブストーリーが邪魔だから。オビ=ワンのパートとカットバックしていくあたりのリズムの悪さにはちょっと辟易した。ルーカスって映画作りがだんだん下手になってるんじゃないだろうか? でも、CGの物量作戦で見せ場には事欠かず、払ったお金と時間の分は満足したという感じ。もともとあんまり期待していなかったので、楽しめた。


2002/08/09/Fri.
▲晴れ。
▲とくになし。


2002/08/08/Thu.
▲晴れ。今日も暑い! でも立秋。暦の上では今日から秋です。
▲熱風吹き荒れる新橋へ。時間が止まったようなサラリーマンの街。十仁病院の建物はいったいいくつあるのか?
▲赤瀬川原平『東京ミキサー計画』(ちくま文庫)読了。後半、面白さが加速された感じ。理由は例の「千円札事件裁判」の模様が活写されているから。千円札事件とは、赤瀬川原平が千円札(当時はまだ聖徳太子。そういえば、またデザイン変わるみたいですね)を模造した紙でナイフやらフォークやらトランクやらを梱包、その千円札の複写が「イカン!」とされて「被告」になってしまったというもの。その裁判の模様が面白い。赤瀬川の千円札が「芸術」であることを示すために、これまでのハイレッド・センターの活動が法廷で次々紹介されるのだ。あげく、洗濯バサミを山ほどつけたモデルの青年が「作品」として登場する。こんなナンセンスなシチュエーションも珍しい。反権力というよりは脱(力)権力ですな。まだお読みでない方はぜひ。
▲ひたすら明日に向かって仕事。
▲オンライン書店bk1の、この夏の目玉企画■あやしの郷(くに)へようこそ〜真夏の妖怪本フェアが始まりました。ぼくは京極夏彦さんへの東雅夫編集長によるインタビュー記事を担当しています。ぜひご覧下さい。
■ヤスケンの編集長日記!  8月6日(火)猛暑
■ヤスケンの編集長日記!  8月5日(月)晴


2002/08/07/Wed.
▲晴れ。暑い!。
▲赤瀬川原平『東京ミキサー計画』(ちくま文庫)を半分くらいまで。『反芸術アンパン』(ちくま文庫)は連載した媒体の要請からかルポ的な文体だが、こちらはもっと美術家赤瀬川原平風の「です・ます」調でユーモアが強調されている。梱包、洗濯バサミ、紐で、芸術と悪ふざけの境界線上を突き進むハイレッド・センター(高松次郎、赤瀬川原平、中西夏之の頭文字をくっつけてできた美術家集団)。こういう世界を十代に知っちゃうと、人生狂いそうな感じです。
■ヤスケンの編集長日記!  8月3日〜4日


2002/08/06/Tue.
▲晴れ。暑い!。
bk1で注文した、森山大道の最新写真集『新宿』(月曜社)が届く。分厚くて重いので町の本屋で買う気になれなかったからだ。
▲新宿とはそれなりのつきあいがあるので、見知っている場所の写真が多いが、それゆえ、森山大道がどう街を切り取ったのか、その視点が興味深い。写真は現実を写すのが前提だから、時代の空気感や風俗と無縁ではないが、写真家の目を通したときに、そこに時間の堆積が写り込むことがある。この写真集もぼくがよく知っている新宿ではなく、60年代から地続きにある新宿である。新宿を、自分の写真家としての歴史に引き寄せて撮った写真とでも言えばいいのか。その結果、単純に「カッコイイ」写真集でもあるところがニクイ。スタア写真家の存在感の強烈さを感じる。
▲小林信彦『天才伝説横山やすし』(文春文庫)。面白い。面白すぎて中断するのが惜しく、一気に読んでしまった。芸人とは距離感を持ち、あくまで観客の一人としてつき合うと決めている小林信彦が、自作の小説『唐獅子株式会社』が映画化されることになり、その主役である横山やすしと関わらざるを得なくなる。原作者にとっても、主役にとっても完全燃焼とはほど遠かった一本の映画にまつわるエピソードを中心に、天才漫才師として伝説化されたやすしの本質に迫る。


2002/08/05/Mon.
▲晴れ。
▲危うくアポイントをすっぽかすところだった。人形町は瀬戸物市でにぎわっておりました。あのへんの地理は何度行っても覚えられない。
▲赤瀬川原平『反芸術アンパン』(ちくま文庫)。1949年というから、戦後それほどたっていない時期に読売新聞主催の「日本アンデパンダン」という無審査の公募美術展が開かれた。以降、途中で「読売アンデパンダン」と改称し(1年早く別の団体が「日本アンデパンダン」をはじめていたため)、1963年の第15回まで続いた。上野の東京都美術館をステージに、読売新聞というメジャー・マスコミが後押しした無審査公募展って、ちょっと凄いと思う。そもそもはフランスがお手本だったみたいだけど。
▲お金さえ払えば、芸術の名の下に何だって出来る──というわけで、多くは日曜画家の作品だったけれど、その中に現代美術の過激で先走った部分が突出することになった。著者の赤瀬川原平も学生時代から数回出品し、過激な連中と行動をともにしていた。とはいえ、アンデパンダンの歴史の中では最後の方に参加したので、「読売アンデパンダンとは何だったのか」を知るために、発足当時の関係者に会いに行くなどの取材を経て本書を書いている。連載していたのはあのTBS「調査情報」なので、美術にとくに関心がない人にとっても、ごくわかりやすく書かれている。芸術になりそうで、芸術にならない……そんな微妙な空気が色濃く漂っていた、と著者は「読売アンデパンダン」を表現している。戦後の日本美術史の一断面を描いたものとしても出色だと思います。赤瀬川さんの青春記として読んでも面白い。
■ヤスケンの編集長日記!  8月2日(金)曇、夕方、突然の雷雨


2002/08/04/Sun.
▲晴れ
▲散髪。古本屋。新宿で夕食。
▲福井晴敏『トゥエルブY.O.』(講談社)読了。乱歩賞受賞作。『亡国のイージス』、文庫になるというので、その事前学習。「12歳の子供」とマッカーサーから評された日本が戦後、歩んだ道のりの結果とは? 自衛隊をめぐるハードな物語。男たちがかっこいい。反面、女たちが今ひとつよくわからない。しかし、気に入った。


2002/08/03/Sat.
▲晴れ。
▲六本木エフワンスタジオに、撮影中の写真家の藤井秀樹さんを訪ね、取材。「季刊クラシックカメラ」の連載「写真家とカメラの肖像」のためだ。藤井さんはヴェテラン広告写真家であると同時に、Fグラフィとという和紙や大理石へのプリント作品で知られる。モティーフは女性が主だが、最近ではカンボジアに設立されたアンコール小児病院のルポを発表し、反響を呼んでいる。写真集『救いと微笑み』を見ると、広告写真家として長く第一線で仕事をしてきた方だけに、初めて挑んだというルポにも美意識が感じられ、障害を追った子供たちを決して惨めなものとして表現していない。本職のドキュメンタリー写真家とはひと味違った写真集になっている。
▲そのままカメラマンのAさんと新宿へ移動し、深酒。
■ヤスケンの編集長日記!  8月1日(木)晴、のち雷雨


2002/08/02/Fri.
▲晴れ。午後、雷雨。その後も夜まで雨。
▲カミゾノ☆サトコ女史と新宿でランチ。「季刊クラシックカメラ」の原稿をいただく。サイゴン、台北旅行の写真を見せてもらう。どちらも以前行ったことがある町なので懐かしい。カミゾノさんの次回原稿のテーマは台北の「変身写真館」での体験。メイクと衣装で別人のごとく変身して撮影してもらえるという写真館。確かにご本人とは縁もゆかりもない写真に仕上がっていて驚嘆(笑)。
■ヤスケンの編集長日記! 7月31日(水)晴、猛暑


2002/08/01/Thu.
▲晴れ。暑い。
▲仕事を早めに終えて、四谷三丁目交差点近くの店で大人の飲み会。昆虫は苦手なのだが、久しぶりにイナゴの佃煮を食べたら美味しかった。コツはよく見ないで食べること。でも、ゴキブリやタガメはやっぱり食べたくないと思う。
■ヤスケンの編集長日記! 7月30日(火)曇、猛暑


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