A DAY IN MY LIFE

2001年8月の日記


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2001/08/31/Fri.
▲くもり。
▲某国産カメラについて語り合う。蒙を啓かれる思い。
▲原稿の仕上げに集中。ほか、何も考えられず。深夜になってやっと出来上がる。


2001/08/30/Thu.
▲くもり。
▲湿気だよ。湿気が悪いんだよ。
▲新宿区役所支所で住民票。2階が図書館なのでソ連、ロシア関係の本を数冊借りる。
▲すでに絶版(あたりまえか)の『もっと知りたいソ連』(弘文堂・1988年.)をさっそく一気読み。弘文堂の「もっと知りたい」シリーズは改版を続けて現在も続いている。ソ連関係は『もっと知りたいロシア』という本に引き継がれているはずだが、編者も違うし、状況もだいぶ違う。『もっと知りたいソ連』はゴルバチョフが「新しい思考」のもとにペレストロイカをはじめ、政敵としてエリツィンが登場するも、いまだソ連邦健在なりの時代である。したがって、バルト三国もウクライナもソ連の一共和国にとどまっている。とはいえ、日本におけるウクライナ研究の第一人者中井和夫が民族問題について解説を加えており、目配りは効いている。文学、映画は沼野充義が担当。しかしサブカルはなし(笑)。さすが弘文堂。
▲ロシアにおけるサブカル、というよりも、タバコのパッケージや紙マッチなどミニマムグッズに興味がある向きは『ロシアの正しい楽しみ方』をどうぞ。版元はあの旅行人。著者は「勝手にロシア通信」編集部著。眺めているだけで楽しい(実際に行ったら大変そうだ、やっぱり)ロシアン・ガイド。


2001/08/29/Wed.
▲くもり。
▲こつこつと仕事。
▲屈斜路湖湖畔在住の携帯メル友が逆ギレ、「ついこの前まで死のうとばかり思っていた」と激白。急にそんなこと言われても(泣)。でも、そもそもおれのメールアドレスをどこから入手したのか疑問が残る。毎日4〜5通の迷惑メールが届くのだ。
▲あまりにも体調が悪く、サ店で読書。カコナール飲んで夜10時に就寝。


2001/08/28/Tue.
▲晴れ。くもり。
▲机の上が水浸しになる。
▲リリィさんから電話。ってゆーか、リリィさんて誰?
▲陽菜でA氏、AA編集長と。
▲映画『溺れる魚』。予想以上につまらない。
『奪取 下』(講談社文庫)。興奮。


2001/08/27/Mon.
▲晴れ。くもり。夜、ちょっと雨が。
▲小熊の夢を見た。小熊といっても、熊は熊。可愛いというのはウソ。獰猛だった。
『図書新聞』天才ヤスケンの「今週のおススメ」よりをアップ。話題の中村修二の『怒りのブレイクスルー』について。ブレイクスルーって流行語なんすかね。
▲「季刊クラシックカメラ」次号編集会議。
▲K本氏と歌舞伎町。すごくダメな感じ。泥酔。
『奪取 上』(講談社文庫)。やっぱり面白い。


2001/08/26/Sun.
▲晴れ。
▲都電荒川線を始点の早稲田から乗り、あらかわ遊園へ。はじめて。大正11年に煉瓦工場の跡地にできた、東京最古の遊園地なのだそうだ。建物や乗り物はすっかり新しくなっていて、ふぜいはまるでないのだが、隅田川沿いにあり、広々とした印象がある。野外ステージでは「仮面ライダーアギト」のショーをやっていて、チビッコたちが大興奮。こういうのもたまに見るとおかしい。園内はそこそこにぎわっていて、親子連ればかり。
▲陸の孤島と化しているのが、あらかわ遊園の対岸、荒川とはさまれて中州のごとき状況にある荒川区小台のあたり。このへんを歩いてみる。荒川まで行って、引き返し、東十条の商店街を抜ける。こちらは大変なにぎわい。
▲京浜東北線で赤羽まで出て、フィリピーナが集まるカソリック教会を見物する。そこは以前、荻窪のフィリピンパブのおねえちゃんに教えてもらった教会で、フィリピーナたちのコミュニティの中心地としての役割を果たしている。毎日曜日ごとに、フィリピーナと日本人の結婚式が行われている。教会の前では、フィリピン家庭料理の販売もあり。
▲赤羽でも盆踊り大会。こちらは小学校の校庭をまるまる使った大規模なもの。年寄りだけでなく、けっこう、ふつうの人も踊っている。赤羽あなどりがたし!(って何が?)
▲今日はちょっとした小旅行の気分を味わえた。つくづく、こういう都市の辺境部(在住の方、失礼!)が好きなのだと思う。自分の生活圏から出ると、同じ東京でもずいぶんと違うムードがあるものだ。
▲韓国産のスリラー映画『カル』。見終わっても、解決されない謎が満載。パンフレットか、ムービーブックを読めというかなり乱暴なメッセージがビデオ巻末についている。珍品。とはいえ、韓国映画の質って向上しているなと思う。一昔前と比べると、撮影技術など格段に向上している。


2001/08/25/Sat.
▲晴れ。
▲前橋の実家へ。
▲映画『アナザ・ヘブン』をビデオで。市川美和子がいい。とくに必然性なくおっぱいを見せてくれたりして得した気分になる。肝心の映画の方は、飯田譲治的世界全開で好感を持つ。いかがなものかと思うところも部分部分にはあり、とくにラストのセリフは興ざめ。


2001/08/24/Fri.
▲晴れ。
▲「季刊クラシックカメラ」色校戻し。ふう。
▲新大久保百人町町内会主催の納涼盆踊り大会に通りかかる。浴衣美人コンテストが目玉。今年で七回目だそうだ。コギャル風あり、人妻ありで楽しい。中国人女性の参加もあった。肝心の盆踊りはおばあさんばかりだったけど、外国人ゲットーと化している新大久保界隈で、なぜかここだけ妙に濃い日本的空間。面白かった。
▲韓国延辺料理。韓国、と頭につくのはあまりただしくないような気もする。この料理、羊肉や牛肉の串焼きなんだけど、ポイントはカレー風味の香辛料にある。じつはシルクロードから伝わった中央アジアの料理なのだ。じっさい、シルクロード東の終点「西安(かつての長安)」の名物料理である。近年は、北京、上海でちょっとしたブームにもなっている。それが、なぜ、韓国延辺料理になったのか。中国東北部には少数民族指定されている「朝鮮族」が住んでおり、吉林省東南部には延辺朝鮮族自治州がある。ロシアおよび朝鮮民主主義人民共和国と国境を接している。この人たちの料理がこの串焼きということになり、ルーツはシルクロードに見ることが出来る。韓国延辺料理のメリットとしては、キムチやチジミと串焼きを楽しめるところだろう。これは上海や北京とはひと味違うところだ。


2001/08/23/Thu.
▲晴れ。
▲王子までカメラを返しに。
▲「季刊クラシックカメラ」色校。
▲「和来路」で一杯。次号の「クラカメ」面白くなりそう。ふふふ。
▲ネットでキエフ関連のウェブを探す。キエフといえば、旧ソ連時代からカメラ工場があることで有名。というか、ずばりキエフというカメラがあるのだ。
▲第二次大戦終結後、ソ連はドイツ占領時にドイツの名門光学メーカー「ツァイス」の工作機械、部品、技術者たちを接収しキエフに移管した。そして、コンタックスカメラのそっくりさん(というか、工作機械や部品を奪っていったので、ほぼ本物)を生産し、「キエフ」という名をつけた。以後、東西冷戦下でキエフは独自のマイナーチェンジを加えつつ、1987年くらいまで生産を続けた。西側の新生ツァイスもリニューアルしたコンタックスを作ったが、それは50年代まででお終い。以後、一眼レフ生産に移行していったのに、なぜかキエフは80年代後半まで健在だった。いわば、カメラの世界での生きた化石だったわけだ(笑)。
▲で、いま現在もその工場はキエフに存続しており、キエフブランドの一眼レフカメラもある。その工場を、せめて外観だけでも見たいと思い、調べてみたら、案外街の中心近くにあることが判明した。これはぜひ訪ねてみなければなるまい。


2001/08/22/Tue.
▲朝からテレビは台風情報。
bk1の癒し系キャラやだっちの8月20日の日記を読んで爆笑。
真保裕一さんにインタビュー。ぼくの印象は「熱血漢」。率直に語っていただいた。素敵な人でした。インタビューの模様はbk1「秋のミステリフェア」で9月中旬公開予定。お楽しみに。
▲台風一過。夕暮れはきれいな光。
bk1の編集会議に参加。デニーズの大テーブルを囲んで夕食。
『チェブラーシカ』ホームページからリンクをたどってチェブラーシカものをあれこれと見る。圧巻はМОЯ КОМНАТАの「GO!GO!チェブラーシカ!」内にあるチェブラーシカのぬいぐるみコレクション。それぞれ、あまりにも個性的(ってゆーか「似てない」)なチェブぬいぐるみに大興奮。ウクライナでもチェブグッズ売ってるのかなあ。


2001/08/21/Tue.
▲自転車なみのスピードで台風上陸。
▲ミステリ作家の大倉崇裕さんの取材に立ち会う。bk1「秋のミステリフェア」のための特別インタビュー。『三人目の幽霊』(東京創元社)がミステリファンから注目されている新鋭である。大倉さんはぼくと同じ1968年生まれ。しかし、10代はじめにSF、ミステリに直撃されず、ハマったのは大学生になってから、という「遅れてきたミステリ青年」。それゆえか、清新な印象の方だった。
▲大倉さんのサイン本を抱えてbk1へ。
▲真保裕一『奇跡の人』(新潮文庫)。前半部分は『アルジャーノンに花束を』(早川書房ダニエル・キイス文庫)『レナードの朝』(ハヤカワ文庫)、映画『人間合格』みたいな感じのハート・ウォーミング系作品と思って読んでいたが、後半から暴走がはじまり、ラストでのけぞった。賛否両論だとは聞くが、賛否以前にすごい発想だと思う。加えて、いつもながら真保裕一のスジ運びの巧みさはまさに超絶技巧。読みはじめたら止まらない。
▲真保裕一『ボーダーライン』(集英社)。こちらはハードボイルド。ロスが舞台で、主人公はライセンスを持っている日本人探偵。例によって気を逸らせないストーリー展開で読ませる。


2001/08/20/Mon.
▲大倉崇裕『三人目の幽霊』(東京創元社)。まっとうなミステリ連作集。「季刊落語」の新米編集者(女子)と編集長が探偵訳。ほのぼの。
「あいのり」。見るのは1年ぶりくらいだけど、違和感なく見れちゃうところが人気の秘密か。自分のビンボ旅行時代のノスタルジックに浸ったりもして(笑)。
▲安原顯さんからいただいた原稿をbk1に乗せようとするも、新刊の在庫(おそらくデータ化)ができていなくて、足止め。お盆の影響と思われる。在庫→データ化のタイムラグ、本が溜まると深刻。
▲粕谷一希『中央公論社と私』(文藝春秋)。こういう文壇史みたいなもの、けっこう好きなのだ。


2001/08/19/Sun.
▲二度寝。ニドネ共和国というのがあったらいい国なんじゃないかと妄想。
▲昼過ぎに起きて、西荻窪に髪を切りに行く。
▲わざわざ西荻まで行くのは帰りに古本屋を冷やかしたいからだ。今日はとくに杉並北尾堂に行くつもりだった。8月31日まで2ヶ月ショップ「杉並北尾堂ブックカフェ」営業中だからだ。
▲昔よくいった「はるばる亭」の上が「杉並北尾堂ブックカフェ」である。本来はカフェギャラリー?らしい。こういう期間限定のお店って楽しいね。とくにインターネットの本屋さんは、お客さんとじかに会える機会でもあるわけで、大切なことだと思う。
▲狭くて急な階段をのぼっていく。本の面差しがギャラリー展示風なのが面白い。アラーキー特集とのことで写真集が並んでいた。ほしいのもあったんだけど、今日の気分としてはあまり高い本は買いたくなかったのでパス。
▲結局『バカミスの世界 史上空前のミステリガイド』(ビー・エス・ピー)『逃げ去るイメージ アンリ・カルティエ=ブレッソン』(スカイドア)を購入。いずれも今年刊行の比較的新しい本だけど、安かったので。

「杉並北尾堂ブックカフェ」の入口。ちょっと可愛い。

▲吉祥寺「のまど」は旅の本屋さん。H.I.S.と関係あるのかないのか知らないけど(たぶん、H.I.S.がやってるんだろう。同じフロア)店員が本屋の人っぽくない(ってゆーか、慣れてない)。それはともかく、旅関係の本に限っておいているので、旅に出る前には足を運びたくなる。久しぶりに行ったら古本も置いていた。P・ワイリ、A・ゲニス著『亡命ロシア料理』(未知谷)なる本を購入。リトアニアの首都リガ出身のニューヨーク在住ユダヤ系亡命ロシア人の二人組だが、本業は文芸評論家らしい。ほかにロシア料理の本など。しかし、ウクライナ関連の本てのはないね、ホント(笑)。
『黄金の島』(講談社)読了。うーむ。


2001/08/18/Sat.
▲早く目が覚めてしまい、どうも体調がすぐれない。
▲荒川方面に行こうと思っていたのだが(『いつか王子駅で』(新潮社)の影響で)、天気雨、強風にはばまれ、挫折。山手線で渋谷。
▲ユーロスペースで『チェブラーシカ』。先日の日記にも書いた、70年前後に制作されたロシア製パペットアニメーション。日記では「くま」といいかげんなことを書いたが、実態は「正体不明の動物」。八百屋のオレンジの木箱の中から発見され、動物園では正体不明ゆえに引き取りを拒否される。超かわいくて大興奮(笑)。
▲つづけてル・シネマで『夏至』。天才映画監督と呼ぶにふさわしい、傑出した作品(『青いパパイヤの香り』『シクロ』)を作ってきたフランス系ベトナム人(現在はベトナムを拠点に活動)トラン・アン・ユンの最新作。待ち遠しかった映画だ。なにかが憑依したかのような不吉な美しさを感じた傑作『シクロ』には及ばずとも、やはり端正な映画。お見事。
▲表参道の雑居ビルのベトナム料理屋。若いコたちはこういう料理屋が好きなんだろうな。悪くはない。


2001/08/17/Fri.
▲気分爽快。陽気はすっかり秋。
▲友人のO氏から見てほしいと頼まれたコンタクトプリントとにらめっこ。
『ストロボ』(新潮社)。読了。真保センセイは写真を撮るんだろうか。プロカメラマンという「仕事」についてかなりつっこんだ内容が書かれている。
▲ついで同じく真保裕一の大著『黄金の島』(講談社)にとりかかる。こちらは一転して、ベトナムに逃げこんだ日本人ヤクザと、「黄金の島」日本への密航を夢見るベトナム人の若者たちが主人公。惜しくも直木賞を逃した最新刊。
▲「季刊クラシックカメラ」印刷入稿終わり。早々と新大久保へ。居酒屋でO氏と写真の話し。お互いにいささか酒が過ぎる(笑)。


2001/08/16/Thu.
▲二日酔。人としてダメな感じ。
▲気まぐれに【アルカリ】の過去テキストをHPにアップしてみる。トップで参照して下さい。
▲経費精算に挫折。
▲犬鍋を食べる会に参加。メカ番長と会うのって何年ぶりだ? 借りっぱなしになっていたLOMOカメラのパーツ代をやっと支払うことが出来た。カメラや時計を買ったこともあり、よくのぞくHP鈴木商店さんとは初対面。鈴木商店トップページのくまは、いま話題のチェブラーシカ。30年くらい前に作られたロシア製パペットアニメの主人公である。おれも、NHKロシア語講座で見かけて大興奮、すぐにプチグラパブリッシングからでている『チェブラーシカ』をさっそく購入したばかり。
▲ところで犬食のナビゲーターはM氏。氏は以前にも韓国料理大会を新大久保で催しており、ぜひ参加させて下さいと頼んだのだ。そしたら犬鍋。以前、二度ほど三河島の韓国料理店で食したことがあるのだが、ところ変われば味変わるということもあるから、腹を減らして期待していた。
▲犬は鍋で食べる(ポシンタン)とばかり思っていたが、こちらのお店(「昔のふる里)では「蒸し犬肉」と「炒め犬肉」もあり、犬づくしが楽しめる。獣臭さを消すために香辛料、ニンニク、胡麻油をふんだんに使うので、肉そのものよりも、調味料の方が印象深いが、おおむね、旨い(ま、一年に一度食べれば十分だけど)。さすがM氏おすすめの店だけあって、キムチ、豚の三段バラ肉などの定番も美味。犬肉は夏バテに効くスタミナ食として知られており、そのせいか、二日酔いも吹き飛んだ。
ポシンタン。いわゆる犬鍋ですな。真っ赤っか。辛いです。でも、旨い。
取り皿に取ってみる。真ん中に浮いている肉には皮もついていて……。

▲就寝前に真保裕一『ストロボ』(新潮社)。カメラマンが主人公の連作短篇集。最初の一篇ですでにホロリと。この構成、どういう理由なのか、最後まで読むのが楽しみ。


2001/08/15/Wed.
▲原稿チェック待ち以外のものはすべて入稿。早々と仕事を切り上げて銀座。デザイン事務所<B>を訪ね、O氏と新橋へ。
▲怪しい小料理屋で失敗、焼鳥屋でフォロー。I氏も参加して夜の新橋、それもかなりディープな方面を冷やかして歩く。
▲中国・韓国エステってなんでこんなにたくさんあるの? 疲れたサラリーマンの癒しスポットなのかしらんと思いつつ歩いていると、客引きのオヤジが「ここいらの中国人はウソツキだ」と差別言辞。連れていってくれたスナックは看板がボコボコにされていた。丁重に辞退して中野へ。
▲久々にバカ飲みしてすっからかんに。やれやれ。


2001/08/14/Tue.
▲今年は印刷がお盆休みナシとのことで、お盆進行とは無縁、と思いきや、取材先への原稿チェックがお盆に阻まれた。カタギの人たちはちゃんとお盆に休んで墓参りなどしているにちがいない。
bk1秋フェアの画策など。
▲ハービー・山口さんの原稿を取りにキャピトル東京へ。ハービーさんがお茶を飲んでいたところにお邪魔させていただいたのだが、そこでダイアナ湯川さんとそのご家族と遭遇。ダイアナさんは15年前の日航機墜落事故で銀行員だったお父さんを亡くしているのだが、ハービーさんは若き日、ロンドンでそのお父さんと遭遇しているのだ。その縁で毎年8月に事故現場を訪れるというダイアナさん一家と二年前からおつきあいしているのだという。実物のダイアナさんは写真よりもずっと可愛くてステキだった。ダイアナさんのお姉さんがまた別のタイプの美人で……。と見とれているいるヒマはなく、編集部にトンボかえりして入稿準備。
▲大沢在昌『夢の島』(双葉社ノベルス)読了。中盤まではいい調子だったのだが、ラストがあっけなく、ちょっと物足りない。「夢の島」が大麻が生い茂る島、というアイディアは面白いと思うのでちょっと残念。
▲フォーサイスの『オデッサ・ファイル』(角川文庫)を読みはじめる。bk1で「オデッサ」で検索して引っかかってきたから買ったのだ。元ナチ親衛隊員は、第一級の戦争犯罪人だが、彼らは戦争直後、名前を変え、顔を変え、秘匿した財産とともに行方をくらますか、過去をかくしてドイツ内外の政府組織に潜り込んでいるという。彼らの正体を暴く名簿が「オデッサ・ファイル」である──というのは一応知っていたのだが、そのファイルがオデッサの町と何らか関わりがあるのではないかと勝手に思っていた。実は、「オデッサとは南ロシアの町でもなければ、アメリカ、テキサスの田舎町でもない」と最初のページに断ってあるように、「オデッサ・ファイル」のオデッサはOrganisation Der Ehemaligen SS-Angehorigenの頭文字を取ったもので、元SS(ナチ親衛隊)の組織のことである。でも、面白そうなので読みはじめた。ケネディ暗殺の報からスタートする出だしはなかなかいい。


2001/08/13/Mon.
▲寝過ごす。
▲「直し」など。
bk1のTJ氏と池袋駅でバッタリ。今日から夏休みだって。夜、bk1に行くと確かに閑散としている。そうか、世間はお盆か……。安藤さんから「リトルモア」を扱うようになったから並べてよ、と。はい!
▲え? クロソウスキー、死んだの?
▲暑気払いに中谷美紀を見ようとビデオで『カオス』。中田秀夫監督、『リング2』はよかったんだけどなア。しかし、この映画の中谷美紀はエロい。中田監督はにっかつでSM映画の巨匠だった小沼勝の助監督をやっていて、小沼監督のドキュメンタリー映画も撮っている人。その薫陶が生きている。とはいえ、映画はぜんたいに「?」マーク。


2001/08/12/Sun.
▲6時起き。
▲前橋駅前のミスドでドーナツを買って実家へ。
▲留守番と自分の本の整理。超恥ずかしい手紙なども出てきて……。
▲前橋名物焼き饅頭。不味い。ガキの頃は好物だったんだが。
▲帰りの電車で読むものがなくなったので99年の再刊だが、大沢在昌の『夢の島』(双葉社ノベルス)を駅で購入。電車で読むエンターテインメントはなかなかよい。


2001/08/11/Sat.
▲妙に早く目が覚めてしまう。うー。
▲「クラカメ」編集部で原稿書き。終わりっ。各方面に原稿チェックをお願いするためにファックス。ふー。
▲家庭の事情で実家に行かなくてはならないことになり、高崎線快速アーバン号。新幹線は早く着きすぎて詰まらないのだ。
bk1で注文し、運良く「お取り寄せ」できた『通貨誕生 ウクライナ独立を賭けた闘い』(都市出版・1994年)を車中で読む。面白い。ウクライナは旧ソ連崩壊にともなって、独立を宣言するが、経済的にはロシアに依存していた。そこで、ロシアのルーブル経済圏からどうやって自立していくかという大きな課題があった。著者の西谷公明は長銀の調査員としてウクライナへ出向き、1992年の春から秋まで滞在し、財務的な現状と展望を調査する。本書は論文ではなく、ウクライナの現状を一人のエコノミストが自らの経験をもとにリポートしたもの。
▲ウクライナという、超マイナーな国の話しとはいえ、資本主義社会にあって経済的に「独立」するとはどういうことなのかを考えるヒントになる。思わぬ掘り出し物。
▲さらに、この著者、長銀調査部所属という超エリートだったわけだけど、その後の長銀の運命を思うと……いま何をされているのかしらん。と思ってネットで調べてみたら、99年1月号の「中央公論」に「さらばキエフ、さらば長銀」なるタイトルの文章を書いていて、しかも、西谷公明って西谷修の弟だという。だからなんだってわけじゃないんだけど、なるほどね。でも、いまどこで何をされているかはわからなかった。「さらばキエフ、さらば長銀」は読みたいなあ、ぜひ。
▲故郷前橋で本場韓国の焼肉料理。昔から韓国・朝鮮料理屋が多い土地柄ではあったが、さいきん、とみに日本語が得手でないお店が増えたような気がする。この店も存在すら知らなかったが、韓国旅行に来た気分をたっぷりと味わった。プルコギ旨かったっす。
▲前橋の街の寂れ方、ハードボイルドでちょっといい。18で東京に来たので、夜の前橋はあまりよく知らないせいかもしれないが。


2001/08/10/Fri.
▲メドが立つ。というか、ホントは今日ですべてが終わるはずだったのだ。わずかに明日へ仕事が残ってしまった。へとへと。


2001/08/9/Thu.
▲追われる。
▲Oさんとの約束をドタキャン。す、すまぬ。
▲深夜、ウクライナ旅行のスケジュールを詰める。彼の地はすべてホテルを予約しておかないとビザが取れないのだ。この手の「不自由旅行」の国は大嫌いだが、時間が限られている場合は仕方ない。ヒマさえあれば、近隣国に入ってビザを取れば宿泊地未定でもオッケーの場合もある。日本から直行するとなるとどうしても制約があるのだ。ウクライナについてはほとんど旅行の情報もなく、ガイドブックもわずかな記述しかないので、テキトーにスケジュールを決めるしかない。まア、思いつきで決めた行き先なので、ルーレットを回すようなものだと思えばいいんだけど。


2001/08/8/Wed.
▲神田で打ち合わせ。
▲ほかのことはよく覚えていない……。
▲読みそこねていた『夢見る頃を過ぎても 中島梓の文芸時評』(ちくま文庫)を読んでいる。中島梓を読むなんていったい、いつ以来だろう。中島梓名義の評論は『ベストセラーの構造』(ちくま文庫)以来じゃないかな。だとしたら、15年ぶりくらい? 中学生の頃、栗本薫名義の小説にハマっていたことがあって、それこそ、ミステリ、SF、果ては少年愛モノまで読んだ。そっから各ジャンル(美少年、やおいには行かなかったが)に進んでいったので、スジが良かったんだか悪かったんだか。『夢見る頃を過ぎても 中島梓の文芸時評』(ちくま文庫)は今は亡き「海燕」に連載された文芸時評。この年は奥泉光が『石の来歴』(文春文庫)で芥川賞を取った年で、村上龍は『五分後の世界』(幻冬舎文庫)『ねじまき鳥クロニクル』(新潮社)などが俎上に上がる。文章のスピード感、分析の鮮やかさ、久々に読んだ中島梓の批評、やっぱり面白い。


2001/08/7/Tue.
▲さすがにいろいろな意味で追いつめられてきた感じ。
▲この日のことはよく覚えていない……。


2001/08/6/Mon.
▲早起きするつもりが、できず(泣)
bk1ホラーサイト編集長のさん、栗山さんと打ち合わせ。
▲久々にF氏で電話と話す。協力要請を快く受けていただき、ホッとする。
▲「クラカメ」編集部に久々にTちゃんが現れる。9月からロンドンに語学留学するとのこと。偉いなあ。
▲で、編集部で飲みに。
▲結局、この日は何も書けなかった(ハハハ)。


2001/08/5/Sun.
▲壊滅的に仕事が進まず、グレそうになる。
bk1で「ウクライナ」「キエフ」などのキーワードで検索、本をまとめて注文する。おそらくこのうちの何冊かは「絶版」もしくは「品切れ・重版未定」なんだろうなと思う。 ▲出版社からの絶版・品切れ情報は本屋まで伝わってこない。いちいち出版社まで問い合わせなければならないのだ。そういう意味で、「お取り寄せ」はコスト高になり、本屋はやりたがらなくなる。生産から販売へリアルタイムで在庫状況がわかる……くらいはできないと、商品としての価値そのものが危うい。つまり、買う気をなくすってことだ。オンライン書店もふつうの本屋さんと同じ問題を抱えている。


2001/08/4/Sat.
▲藤沢まで原稿を取りに。
21世紀最初の夏に読む ヤスケン一押しのおススメ本120選アップ。7ページに及ぶ、怒濤の選書。キミは何冊読んだかな?


2001/08/3/Fri.
▲あさ、タムロンへ。
▲午後、王子へ。もったいなくて、ちびちびと読んで楽しんでいた『いつか王子駅で』(新潮社)をついに読み終えてしまう。仕事上の用事で王子にバタバタと数回訪れていたので、とくに印象深い。作中の「かおり」という飲み屋がありそうな一角をカメラ片手に歩いてみた。しかし、暑くて倒れそうになる。
▲撮影をお願いしていた、写真家の元田敬三さんが編集部へ。モノクロプリント。シブい。元田さんの作品集『青い水』(ワイズ出版)よりもさらに、濃い部分を煮出した感じ。まだまだこれから作風が変わっていきそうな人だ。
▲デザイナーのI女史、編集部のT嬢と地図帳でウクライナを探す。
▲写真家のA氏が編集部へ。はじめての居酒屋でおいしい料理に遭遇。久々に旨いモノを食って、仕事をする気を失う。
bk1文芸サイト、夏の目玉企画第二弾は「ヤスケン一押しのおススメ本120選」。こだがまた、サーチ&関連書籍アップ地獄(笑)。N木クンに手伝ってもらったが、彼も忙しく、最終的には自分でやる。でも、これ読んだ、読んでない、読みたい、と思いつつ本を並べるのは楽しくもある(笑)。しかし、これだけのリスト、つくる安原さんもすごいよ、ホント。


2001/08/2/Thu.


▲入稿準備、まだまだ。
▲鶯谷で安原さん、伊勢新聞のY女史と。仕事よりも、まったく関係ない話しで盛り上がる。
▲秋、休みを取って旅行に行くことに。さっそくチケットを手配。行き先はウクライナ。はじめていく国なのでいまから楽しみ。というわけで、9月5日から15日までは日本にいません。仕事の進行は関係各位と協議するということで……。よろしくお願いします。
▲加藤千恵という17歳の女子高生歌人の処女歌集『ハッピーアイスクリーム』(発行:マーブルトロン/発売:中央公論新社)に興奮。これ、いいじゃないですか、ということで、「プチ特集」と題し、加藤千恵『ハッピーアイスクリーム』〜5☆7☆5☆7☆7でいこうを作る。「かんたん短歌」で有名な歌人の枡野浩一氏からのメッセージのほかに、勝手に『ハッピーアイスクリーム』と読み合わせると面白そうな本を並べてみる。なんとなく、加藤千恵嬢ご本人にはいやがられそうな気がするが、独断と偏見で。


2001/08/1/Wed.
▲入稿準備が続く。
▲新宿ニコンサロン。
bk1。編集会議に間に合わず。辻さん、やだっちと打ち合わせ。
▲この間の直木賞候補に挙げられた山之口洋さんの連載コラムをアップ。直木賞候補作家による、受賞者にたいする批評という大胆なテキスト。 藤田宜永氏の受賞作『愛の領分』(文藝春秋)、読まねば。


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