A DAY IN MY LIFE

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2002/06/30/Sun.
▲曇りのち雨。
▲散髪。西荻窪の古本屋でハービー・山口さんの『ずっと探していた』(ビクター音楽産業)と『藤原新也の動物記』(新潮文庫)を買う。いずれも絶版なので。前者はハービーさんのフォト&エッセイ。後者は絵と文章による動物本。
▲スチル本棚を解体、ダンボール箱に本を詰めていく。
▲決勝戦「ドイツ対ブラジル」。2対0でブラジルの勝利。前評判通り、ブラジルのロナウド&リヴァウドとドイツのGKカーンとの対決が雌雄を決した。ブラジル選手たちのはしゃぐ姿と対照的なカーンの喪失感漂う表情が印象的。シブい。
▲注目のロナウジーニョには見せ場があまりなかったが、リヴァウドのアシストでロナウドがゴールを決めるという勝ちパターンを崩さずにドイツを退けたブラジルには王者の風格があった。
▲というわけでFIFAワールドカップもお終い。本当に面白かった。スポーツ中継をこれだけマジに見たのは十代の頃以来という感じ。
■ヤスケンの編集長日記! 6月27日(木)雨


2002/06/29/Sat.
▲曇りのち雨。
▲引っ越し先の掃除。雑巾掛け。バルサン炊いて、遠回りして帰る。
▲3位決定戦「韓国対トルコ」はうちで観戦。開始わずか10秒でトルコのハカン・シュキュルがゴールを決める。韓国チームの緊張感が解けていたということなんだろうか? その後のイルハンの2ゴールも、一瞬の隙をついた見事な攻撃だった。
▲とはいえ、韓国も前半9分にイ・ウルヨンが直接フリーキックで見事に決め、同点にし、最後も3対1という2点差がありながら、ロスタイムまで粘り、1点を返して有終の美を飾った。
▲ところで、ドイツのGKオリバー・カーンの人気が高まっている。ドイツのロックバンドが出した「オリー・カーン」という曲が面白い。日本語バージョンもあるのだが「足首、太股、男の世界」といった歌詞が微妙に下手な日本語で謳われている。ポリスの「DO DO DO DE DA DA DA」日本来日記念日本語バージョン以来の感動かも。


2002/06/28/Fri.
▲くもり。
▲平凡な一日。とくになし。
■ヤスケンの編集長日記! 6月26日(水)雨


2002/06/27/Thu.
▲雨ときどき曇り。
▲御茶ノ水山の上ホテルで東雅夫さんと皆川博子さんの対談。オンライン書店bk1の開店2周年企画の一つでもある「東雅夫特集+『幻想文学』創刊20周年記念特集」の目玉記事のため。
▲東さんは「幻想文学」編集長であり、ホラー評論家、アンソロジストとして活躍されている。皆川さんは時代小説『恋紅』の直木賞作家として一般には知られているけれど、近年はとくに幻想文学方面での創作で若い世代からも支持されている。東さんが企画し、ミステリ評論家の千街晶之さん、文芸評論家日下三蔵さんとともに編集した『皆川博子作品精華』(『幻妖幻想小説編』『迷宮ミステリー編』『伝奇時代小説編』)(白泉社)が刊行されたばかりだ。
▲皆川さんは、「幻想文学」の前身「金羊毛」を書店で手にとって以来、今に至るまで「幻想文学」の愛読者だという。東さんとの対談は内容が濃く、実に面白かった。原稿の分量の都合で、原稿にまとめられるのはほんのわずかなエッセンス……ということになりそうなので残念だ。
▲歌舞伎町でM嬢とそのお友達Bさん(女性)にKさん(男性)を紹介し、上海小吃で夕食。その後、Tさん(男性)と合流、飲み屋に移動。それぞれに初対面の人がいたにもかかわらず、暴露話になってなごむ。年を取るって素晴らしい。
■ヤスケンの編集長日記! 6月25日(火)雨のち曇
■『図書新聞』天才ヤスケンの「今週のおススメ」より 第71回★清野賀子、初の写真集『THE SIGN OF LIFE』


2002/06/26/Wed.
▲雨のち曇り。
▲銀座写真弘社ギャラリー・アートグラフで築地仁さんの写真展『Mother Polis end・都市の境界』のオープニング・パーティー。カラーネガで都市の風景を撮影している。今回のテーマは色彩だという。常の通りシャープな構図。7月2日まで。
▲「ブラジル対トルコ戦」。1対0で順当にブラジルの勝利。後半、ロナウドがトウキックでゴールを決める。トルコは、前回ゴールデン・ゴールを決めたイルハンを投入するも追いつけず。トルコの監督を見ると映画『エニイ・ギブン・サンデー』のアル・パチーノを思い出す。ワールドカップの楽しみの一つは選手、監督が「誰に似ているか」を考えること。うまくハマるとうれしい。
▲これで決勝は「ドイツ対ブラジル」。3位決定戦は「韓国対トルコ」となる。決勝戦にはロナウジーニョも出るので楽しみ。一方のドイツは韓国戦でゴールを決めたバラックが累積イエローカードで出場できないのでやや不利。ロナウド、リバウド対GKカーン(今大会わずかに1失点)の対決が楽しみ。と、知ったふうなことを書いておく。最近会う人ごとに「いつからサッカーファンになったんだよ」とからかわれる。アハハ(汗)。
■ヤスケンの編集長日記! 6月22〜24日


2002/06/25/Tue.
▲曇り。
▲歯医者。いまどきのお医者さんて、愛想がいいなと思う。競争原理が働いているってことか。
▲「韓国対ドイツ戦」。0対1で順当にドイツが韓国を下す。韓国も善戦したけれど、やはりドイツは強かった。問題とされていた審判のジャッジも実に公平だったという印象。確かに、あれだけ各国マスコミで騒がれて、抗議もされていれば神経質になるだろうと思う。主審はスティーブ・マックイーンみたいなおじさんだった。
▲例によって新大久保の韓国料理屋で観戦しようと思っていたのだが、どこも満員で入れない。全部で6人という大人数になってしまったせいもあるけど。日本人のにわか韓国人サポーターたちも大挙して来ていて、入れなかったサッカー観戦難民たちがお店の人に教えられて歌舞伎町方面へと流れていく。
▲結局、大久保の延辺料理屋で観戦。延辺料理というのは中国東北部の朝鮮族が住むあたりの地方料理のこと。したがって、お客さんたちは朝鮮・韓国語をしゃべる中国国籍の人たちという複雑なバックグラウンドを持つ。店はほぼ満員で、韓国チームを応援しながらの観戦となったが、ふつうの韓国料理屋の盛り上がりと比べると温度は低い。国旗のフェイスシールを貼ったおねえさんが中国語新聞を読んでいる姿が印象的だった。好きな選手は? と聞くと「アンジョンファン」という答え。
▲誤審問題、韓国サポーターのマナー問題(「週刊文春」掲載記事、「サンデージャポン」での飯嶋愛の発言など。韓国と対戦する国への戦前妨害、またはイタリア戦の応援席に「アズーリの墓へようこそ」と書いた垂れ幕を張った韓国サポーターがいたという)、さらに共催国韓国への嫉妬など、大方の日本人は韓国チームの躍進を素直に喜べない段階に来ているような気がする。でも、日本のマスコミはおおむね韓国チームを絶賛。日本人の外面の良さ、タテマエとホンネの使い分けを象徴している感じ。
▲ワールドカップで、日本人は外国チームのユニフォームまで買って応援しているが、それは外国人から見ると奇異に映るという。ワールドカップサッカーはナショナリズムと不即不離だということだろうか? 日本人はあまりに無邪気にサッカーを楽しみすぎているのかもしれない。
▲でも、個人的には、だからといって、自国の勝敗にしか関心がないというのも狭量だし、第一、面白くない。しょせんはゲームなのだから、楽しんだ方が勝ち。平和的でけっこうだと思う。
▲ただ、日本人はナショナリズムに対してナイーブというか、無邪気というか、考えがないというか、そういう部分は確かにあると思う。外国人がナショナリズムをごく自然に発揮するのと比べて、日本人のそれはかなり屈折している。その原因は第二次大戦での敗戦と、その後アメリカから輸入された戦後民主主義に求めることができると思う。飛躍するようだが、戦後民主主義の平和主義の一つの成果が、他国を無邪気に応援する日本人サポーターだという皮肉な見方もできるんじゃないだろうか。
■ヤスケンの編集長日記! 6月21日(金)今日は夏至らしい。晴、のち曇


2002/06/24/Mon.
▲曇り。
▲落とした免許証を飯田橋の遺失物センターへ取りに行ったり、区役所で書類を取ったり不動産屋へ行ったりで午前中はお終い。
『堀内誠一の空とぶ絨緞』。「アンアン」「オリーブ」「ポパイ」などマガジンハウスの黄金時代を築いた雑誌のアート・ディレクションで有名な故・堀内誠一の旅行記。ちょっと前の本だが、出版社にちゃんと在庫があった。内容も知らないで取り寄せたのだが、予想以上に面白かった。「アンアン」に掲載されたものをそのまままとめているので、堀内誠一がイラスト・写真・文・レイアウトのすべてをやっている。訪れている場所がユニーク。ウクライナ、グルジア、マグレブの国々(チュニジア、アルジェリア、モロッコ)、ギリシア、メキシコ、東ドイツ、中国山間部など。1970年代末から、80年代初頭の旅先としてはかなりマニアックだと思う。しかも、旅先で出会った風景やモノ、エピソードをスマートにまとめている。女性誌に掲載されていても、読者に媚びる様子がないところも良い。一気に読むのではなく、少しずつ楽しみたい本。
■『図書新聞』天才ヤスケンの「今週のおススメ」より 第70回★鈴木宗男が逮捕された


2002/06/23/Sun.
▲曇り。
▲北浦和。行き帰りの電車の中で『フーリガン戦記』(白水社)。フーリガンたちは身元が割れている。だからこのワールドカップでは水際で上陸を阻むことができたということなんだろうか? しかし、フーリガンたちの「ジプする」(無賃乗車)テクの恐ろしさときたら! 日本の鉄道員たちはどう対処しただろうか?
韓国戦の「誤審」問題が話題になっている。ワールドカップを見始めたとき、ホームとアウェイでの審判の判断に狂いがある、ということ自体が大げさに言えばカルチャーショックだったが、テレビ、ビデオなどの媒体で全世界が注目しているとなれば、こういう事態も起こるだろう。審判の仕事の難しさには同情したくなるが、負けたチームのファンが納得がいかないのも当然だろう。新しいメディアを使って審判の精度を上げるという考え方は取らないのだろうか、と素朴な疑問。
▲すっかり忘れていましたが、ぼくが編集に関わっている「季刊クラシックカメラ」の最新号「季刊クラシックカメラ No.16 特集ニッコールレンズ」(双葉社)が発売されています。ニコンファン必携、ということでその方面の方はよろしくおねがいします。詳細についてはこちらをどうぞ。ぼくは巻頭インタビュー、「写真家とカメラの肖像」ほか、編集&原稿執筆をしています。よろしくどうぞ。


2002/06/22/Sat.
▲曇り。
▲この日記を読んでくれた人から「韓国戦を韓国料理屋で見たい!」という申し出があり、ほかにそんな話をしていた人たち、計5人で百人町の「スンデ屋」に行く。
▲その前に職安通りの韓国料理屋「大使館」の駐車場(テレビプロジェクターが用意されている)を冷やかしにいったのだが、テレビニュースでも報道されている通り、赤いシャツを着た人達で埋め尽くされている。ほかに、工事中の空き部屋が急遽観戦ルームになるなど、職安通りはすでにカッカしたムード。「大使館」の駐車場には、一人だけ日本の青いユニフォームを着た青年がポツネンとしていたのだが。
▲このあたりには大小さまざまな韓国料理屋があるのだが、どこでもテレビを付けて臨戦態勢に入っている。中でも比較的広いスンデ屋に席を取ったのだが、試合が始まることには立ち見客も含めて凄い密度になった。
▲しかし、いくらなんでも韓国が勝つなんて思っていなかった。善戦することはあっても、まさかPK戦で勝利するとは! 鍋をスプーンで叩いていたおばさんたちが、どこからかホンモノの銅鑼(?)にバチを持って現れ、彼女たちの銅鑼の音に耳をふさぎつつ応援していたら、あれよあれよという間に勝ってしまった。
▲最初のPKが決まっただけでよろっと倒れてしまったおばさん(それ以前に彼女は韓国の男性と腕を交差させて一気飲みをしていた)、勝利が決まった瞬間、腹を出して乳まで見せてしまったおばさんまで出現して、異様な盛り上がりを見せた。いやはや。ぼくはちょうどテレビの前に座っていたので、おばさんに抱きつかれほっぺたにブチューっとやられた。
▲店の中はぼくたちのような便乗にわか韓国ファンの日本人たちもけっこういたはずだ。しかし、店全体で勝利を喜んだことは言うまでもない。
▲韓国の人達はまさか母国がここまで勝ち残るとは思っていなかったんだろう。応援用に着ているTシャツも赤ければなんでもいいという感じだし、応援用のTシャツも簡素なものだ。隣の席の男性二人はしっかりユニフォームのレプリカを着ていたが、それは韓国の友人から送ってもらったものだという。フェイスペインティングの代わりにシールを貼るのが一般的で、ぼくの連れたちももらって貼っていた。
▲試合が終わると、潮が引くように人が減った。多くは、メシを食いに来たわけではなく、試合を見に来たのだ。それに、職安通りでの盛り上がりに参加しに行ったのだろう。ぼくたちは応援疲れもあって、石焼きビビンパとビビンパをあらたに追加注文してお腹一杯になった。
▲「トルコ対セネガル戦」は、うちで見た。韓国戦で飲み過ぎたので、うつらうつらしながら寝転がってみていたのだ。しかし、こちらもトルコが勝つというのはまったくの番狂わせ。しかも、ゴールデン・ゴールを決めたイルファンという選手はなかなかの美形ではないか。順当に行けばトルコと韓国は三位決定戦でぶつかる。韓国のアンジョンファンとイルハンの美形FW対決となりそうな予感。
▲I氏が新宿に来ているというので、久しぶりに会う。I氏は「日記」を読んでくれていて、ぼくのにわかサッカーファンぶりを批判する。確かに、ここまでマジにサッカー見るようになるとはまったく思っていなかった。しかし、サッカーについてエラソーなことを言いたいわけではなく、いたって無邪気な楽しみ方なのでご勘弁願いたい(笑)。
■ヤスケンの編集長日記! 6月20日(木)雨


2002/06/21/Fri.
▲晴れのち曇り。
▲早起きしたくせに「やらなければならないこと」を迂回してつまらないことに時間を費やしたり。
▲なんとか打ち合わせに間に合い、エッチな雑誌などをもらって帰る。
▲「イングランド対ブラジル戦」。とくにどちらを応援するという気持ちもなかったのだが、ベッカム、オーウェンという人気選手を抱えるイングランドが善玉、対するブラジルは悪玉に見えてしょうがない。とはいえ、一発退場となったロナウジーニョのファンになった。レッドカードを食らっても笑っているからだ。ってゆーか、歯が出ているから笑っているように見えるだけ? 久々に「天然」を感じる。サッカー選手では中村俊輔以来。ファンになったが、次の試合には出られない。次に見られるのは決勝戦か、三位決定戦か。ブラジルがんばれ。
▲応援疲れで何もする気になれず、高田馬場の古本屋を数軒歩く。最近、古本屋にばかり行っている。欲しい本があるのだが、いっこうに見つかる気配なし。
▲「ドイツ対アメリカ戦」。こちらは心おきなくドイツを応援できる。とくにキーパーのカーンが良い。すばらしいセーブも飛び出した。しかし、アメリカも予想以上に強かった。本国ではまったく人気がないらしいのは本当に可哀想。しかし、なんとなくアメリカを応援する気にはなれない。サッカーまでアメリカに支配されたくない。そのへん、二重に可哀想だけど仕方がない。
▲明日は「韓国対スペイン戦」と「トルコ対セネガル戦」。この日記を読んで「百人町で観戦したい」という方が連絡をくれたので、いっしょに行くことに。ほかにも声を掛けてみた。みなさんもお近くの韓国料理店に出かけてみては? もちろん、スペインを応援する方はスペイン料理店へどうぞ。
▲ところですっかり忘れていたが、セネガルの10番って韓国で万引きして捕まったんだっけ。そういうことをしつこく思い出しながら明日は「トルコ対セネガル戦」を見ようっと。
「リトルモア」のノンフィクション特集の中で石丸元章が推薦していたビル・ビュフォード『フーリガン戦記』(白水社)を読みはじめる。
▲ワールドカップが始まる前に買っておいてあったのだが、肝心のフーリガンが現れず、騒いでいるのはフーリガン化した内弁慶の日本人サポーターたちだったので、手に取るタイミングを逸していたのだ。しかし、ワールドカップが終わってしまってから読む気になれるかどうか自信がないのでページを開いた。
▲アメリカからロンドンに留学してきたことをきっかけに、イギリスに職を得たジャーナリストによるフーリガンレポートだ。エドワード・ファウラーの『山谷ブルース』(新潮OH!文庫)を思わせる潜入ルポ。しかも、そこには異文化としてフーリガンを見るまなざしがあり、ぼくのような門外漢にも読みやすい。
■ヤスケンの編集長日記! 6月19日(水)久し振りに快晴
■ヤスケンの編集長日記! 6月18日(火)雨


2002/06/20/Thu.
▲曇のち雨。
▲今年の後半のカメラ関係のムック、単行本の刊行スケジュールが判明し、青くなって準備を始める。さっそく打ち合わせ。もう一件、打ち合わせの予定があったが、そちらは流れる。
▲乙一の『暗いところで待ち合わせ』(幻冬舎文庫)を読んでみる。乙一はホラー、ミステリー系読者の間でしばらく前から高い人気を得ている作家。まだ二十代前半という若さだが、ありえないお話をシラケさせずに読ませるあたり、才能を感じる。って好きな人にとっては今さらか。おそらくこの小説よりも数段出来がいいと思われるほかの評判作もぜひ読んでみたい。
自民党、田中眞紀子の「党員資格」を2年間停止。これって、「出てけ」と言われているに等しいと思うが、どうするんだろう、田中眞紀子。
■ヤスケンの編集長日記! 6月16日(日)曇


2002/06/19/Wed.
▲晴れ。
▲鶯谷でオンライン書店bk1店長の斎藤さんと、bk1内でBOOK SITE ヤスケンを展開している安原顯さんの対談。ぼくが司会と原稿のまとめを担当している。
▲テーマは「書評」。bk1では書籍に「読者書評」を投稿できる。寄せられる書評の数は月およそ4000本(!)。7月に迎える開店2周年を記念して、優秀な読者書評をピックアップして顕彰しようという企画。安原さんは「書評十戒」を用意してきてくださり、よい書評とは何か? についてあれこれとお話をうかがう。
▲ぼくもブックガイドの真似事をしている一人なので、実践的な部分で参考になった。そのへんをうまく記事に盛り込みたい。7月1日に記事がアップされる予定です。
▲未知の写真家、清野賀子の写真集『THE SIGN OF LIFE』。ずっしりと重い豪華写真集。装幀もいいが、中の写真はもっとすごい。どうすごいか、その一部はこちらで見ることが出来るが、残念ながらパソコンのモニターで見る写真はその存在感を伝えていない。構えの大きさとでも言えばいいのか、力強くひとつの世界を構築していて、ページをめくっていくに従って、その世界に引き込まれていく。
▲収録されている写真はすべて日本国内で撮影されたということだが、無国籍的で、人間が住んでいる土地のある部分がさらけだされてしまっているような迫力を感じる。写真ならではの表現だなあ、と感じ入った。定価7,000円は決して高くない。上記のページで購入もできるので、だまされたと思って買ってみてください。今年のベストワンクラスの衝撃度。
▲四谷で飲み会。久しぶりに会う人と、しょっちゅう会っている人と、この間久々に会った人、というメンツ。人間関係の濃淡が面白い。にしても、自分を含めてあんまり成長しないもんだなと妙な感慨。
▲十年以上前に、ぼくに写真集を見るという趣味を教えてくれたM嬢にさっそく『THE SIGN OF LIFE』をすすめるが、どう説明すれば魅力が伝わるのか、例によって自身の言葉の拙さを残念に感じる。深夜まで。


2002/06/18/Tue.
▲曇。
▲ワールドカップ決勝トーナメント、いよいよ「日本対トルコ戦」。ところが、以前から決まっていた打ち合わせがあり、長時間、小部屋に閉じこもらなくてはならず、観戦できなかった。
▲やっと打ち合わせが終わり、テレビを見ると後半41分。日本が0対1で負けていて、ドキドキしながら見る。結果、敗北。そういえば、夕べ、日本が敗ける夢を見た……。
▲浦沢直樹の『20世紀少年』(小学館ビックコミックス)を4巻まで。
▲タイトルがピンと来なくて読んでいなかったのだが、Tレックスだったとは。1968年当時に少年だった主人公たちの中から芽生えた悪の妄想と、その妄想が現実化する過程で、「正義」のために戦おうとするというメタ的な物語。
▲常の通り、浦沢直樹という人はすごくマンガが巧いんだけど、面白く読みつつも、なんだか納得のいかない思いも。なぜだろう。読みながら答えを見つけたい。
▲ワールドカップ「韓国対イタリア」を百人町「スンデ屋」で見る。大いに盛り上がる。
▲新大久保界隈はちょっとしたリトルコリアだから、その雰囲気を味わいたいと思って出かけたのだが、案の定、ゲームの行方に店全体で一喜一憂。
▲イタリアにリードされた韓国は、後半41分で見事にシュートが決まり、1対1の同点。さらにサドン・デスの後半には注目の美少年アン・ジョン・ファンがヘディングで決定打を決める。隣の席で観戦していた韓国人の兄ちゃんと思わず抱き合って喜ぶ。
▲いちいち「ロスタイム30分!」とか、ファウルしたイタリア選手に「退場!」とか、ベタすぎるかけ声を掛けていた彼らに国民性の違いを感じつつも、粘りに粘って逆転勝ちした韓国チームの勇姿に感動した。
▲決定ゴールを決めたアン・ジョン・ファンは韓国初のイタリアセリエA選手(ペルージャ)。しかし、彼よりも声援を受けていたのはこの試合でも途中出場した車ドゥリ。前回のフランスワールドカップの韓国チーム監督の息子でまだ大学生だ。坊主頭のアグレッシブなプレーヤーである。要注目。
▲会計の時にはじめて「飲みもの無料」だったことを知る。日本語でも書いておいてください! ってゆーか、次の韓国戦も?
▲帰り道、韓国サポーターと日本サポーターが互いの健闘を称え合う姿を横目で見つつ、このワールドサッカーブームでメディアに引っ張りだこになったチュニジア料理店「ハンニバル」の前を通って帰宅。つくづく変な街だ。次のトルコ戦は高田馬場に最近出来たトルコ料理屋で観戦しようかな?
■ヤスケンの編集長日記! 6月15日(土)曇


2002/06/17/Mon.
▲曇。
▲定例会議。定例打ち合わせ。
▲ワールドカップ。「アメリカ対メキシコ」。盛り上がらず。2対0でアメリカの勝ち。メキシコはいいところがなかった。
▲ワールドカップ。「ブラジル対ベルギー」。前半、ベルギー、よく守っていたけど、後半、ブラジルのシュートが見事に決まる。やっぱり巧い。終わって見れば2対0でブラジルの勝ち。
▲にしてもサッカー一色。昼から試合があるから、仕事が手に付かない人も多いのでは? 明日は昼は日本戦、夜は韓国戦。
▲その影でひっそりと鈴木宗男の任意事情聴取が終わり、逮捕状が請求されている。
▲共同通信社社会部〔編〕『闇の支配者腐った権力者』(講談社+α文庫)読了。故竹下元首相の「ほめ殺し」をストップさせた黒い人脈を軸に、ヤクザ、右翼、政界、財界の闇の紳士たちを描く。もうちょっと一人ひとりのバイオグラフィーにページを割いて欲しかった。気楽に読める文庫本ではあるけれど。
■ヤスケンの編集長日記! 6月14日(金)曇


2002/06/16/Sun.
▲曇。
▲西荻・荻窪。主に古本屋を回る。目当ての本は見つからなかったけど、まったく何も買わないということもないってのが微妙なところで……。ついこの間、亡くなったばかりの佐藤明さんの写真集『おんな・そして・白夜』(ニッコールクラブ・1998)は佐藤さんが取り組んできた女性写真と、円熟期に出会って転機となった北欧の白夜のシリーズをまとめたもの。
▲佐藤さんとは一度だけ、たしか1999年に取材でお会いしたことがある。その時の佐藤さんのモダンな物腰と写真のトンガリ具合に優れた洋才を感じる。佐藤さんは戦後の日本において女性写真、ファッション写真の先駆けであったという言われ方をするけど、やはり一人のアーティストたろうとしたんだと思う。そういう意味でやっぱりVIVOという個性的な写真家集団に属していた一時期は決定的な意味を持っていたように思う。
▲佐藤さんはこの写真集巻末のインタビュー(柳本尚規による)で、代表作の一枚である「冷たいサンセット」について、28ミリレンズで思い切り寄るために、レンズをボディーから外して、漏光しないように手でレンズとボディーの間を覆って撮影したと語っている。この手法は一眼レフ以前に用いられていた方法だ。細江英公さん(同じくVIVOの一員だ)にお話をうかがった時には『薔薇刑』の中の印象的な一枚である、横たわった三島を頭からワイドレンズで撮った一枚をその手法で撮ったとおっしゃっていた。レンジファインダーカメラでは最短撮影距離が長いので、寄るためにそういう奇策をとったのである。
▲たまたま、今日、別の本屋で藤原新也さんの『アメリカンルーレット』(情報センター出版局)を買い、さっそく喫茶店で読んだのだが、ここにも同様の手法が出てくる。もっとも、藤原さんの場合はVIVOのお二人よりは世代が下だから、自身のアイデアで一眼レフのレンズを外し、しかも開放でAEを使って、というやり方だった。単なる偶然なのだが、写真家がカメラ、レンズという道具を工夫してイメージを捉えようとしている一つの例だと思った。
▲肝心の『アメリカンルーレット』は、手元になかった本なので、あらためて見ていくと以前に見た時には気付かなかったことにいろいろと気付いて面白かった。藤原さんの旅の中でも、アメリカ行は35ミリから4×5まで機材をフルラインナップして行くという異色なものだったのだが、そのことにあらためて注視してみる。何を何のカメラで撮るか? という生理的な選択が、写真家の目の奥行きまでも見せているように感じる。藤原さんはカメラを「絵筆の一つ」と表現していた。そのことをあらためて考えてみる。
▲気になっていた保坂和志『プレーンソング』を読みはじめる。
▲「スペイン対アイルランド戦」。判官贔屓でアイルランドに応援していたのだが、スペインの壁は厚く、1対0でお終いかと思いきや、後半、アイルランドがすばらしい粘りを見せ、同点に。さらに、延長を15分づつやり、さらにPK戦。まさに死闘。軍配はスペインに上がったが、アイルランドの根性にほろりと来た。ア軍のダフという選手の足技と、緑のサポーターあのおじさんたちの熱狂ぶりが印象に残る。ワールドカップ、面白いじゃん、というわけで、最近、ぜんぜんビデオで映画を見ていない。


2002/06/15/Sat.
▲雨のち曇。
▲なんとなくテンションがあがらないままうちで作業。
▲ヒキタクニオの『鳶がクルリと』を途中まで。同じ著者の『凶気の桜』を読んで、ちょっと面白いと思ったんだけど、こちらも読ませる。いわゆるジャンル小説の枠からちょっと外れたところで面白いことを考えている人だな……と。『凶気の桜』は暴力的右翼青年とヤクザの話、今度の『鳶がクルリと』は鳶の世界に飛び込んだ高偏差値の20代女性の話。異文化コミュニケーション? っていうの? って感じか。
▲映画『少林サッカー』を見に行く。世評に違わぬ痛快作。久々に娯楽映画を見たという感じ。周星馳のビンボー、ブスへのこだわりが変わらないのもうれしい。タイトルバックのデザインにも注目!
▲FIFAワールドカップもいよいよ決勝トーナメントへ。「ドイツ対パラグアイ」はドイツ、「イングランド対デンマーク」はイングランド。どちらも順当な結果。
■ヤスケンの編集長日記! 6月13日(木)雨、時折曇


2002/06/14/Fri.
▲曇りのち雨。
▲昼間は「日本対チュニジア戦」、夜は「韓国対ポルトガル戦」をテレビ観戦。共催国がともに決勝トーナメントに進んで、ともかくもう少しワールドカップの盛り上がりが続きそうだ。「日本対チュニジア戦」は何かと批判を受けてきたトルシエの采配がドンピシャに決まった試合としても印象的。
▲歌舞伎町は雨の中でも盛り上がっていた。いたるところで日本人の大暴れが問題化してるけど、いかにも内弁慶的な日本人らしい騒ぎ方。でも、「祭り」らしい祭りがない今、バカ騒ぎしたくなる気持ちもわかる。たまにはいいんじゃないのかな。
▲大崎善生『パイロットフィッシュ』読了。お尻がむずむずしてくるようなナルシズム満点の小説。主人公は40歳という設定だけど、とてもそうは思えないほど子どもっぽい。この小説が売れたのは、パイロットフィッシュなどの道具立てがよく考えられてあって、読みやすいうえに「キメ」の言葉もある(「人は、一度巡り会った人とは二度と別れることは出来ない」)からだと思うけど、小説を読み慣れている人はかなり辛い点数をつけるのではないだろうか? あまり小説を読んだことのない人には新鮮なものでも、似たような小説を読んだ後では陳腐に感じるものってあるよな……。
■<ホラー>『環蛇銭』書評と加門七海の世界(迫水由季)
■ヤスケンの編集長日記! 6月12日(水)雨、時折曇
■ヤスケンの編集長日記! 6月12日(水)雨、時折曇


2002/06/13/Thu.
▲曇。
▲パリ、ベルギーから帰ってきた神田さんが編集部に見えたので、そのままみんなで近所の居酒屋にサッカーを見に行く。「イタリア対メキシコ」。トッティに代わったデル・ピエロが見事にゴール! 引き分ける。イタリアはかろうじて決勝トーナメントへ。これ以上優勝候補が消えるのは寂しい……ので嬉しい。
■ヤスケンの編集長日記! 6月11日(火)快晴、蒸し暑い


2002/06/12/Wed.
▲晴れのち小雨
▲bk1で打ち合わせ。7月で開店2周年になるので、その特別企画「読者書評を褒める」(仮)のために、bk1に寄せられた膨大な書評の中から、優れていると思われるものを持ち寄る。あらためてオンライン書店における書評のポジションについて考えてみたり。期せずして意見交換の場になったので、言いたいことを言う。
▲ナンシー関死去。ファンというわけではなかったけれど、コラムは好きだった。でも、彼女が亡くなったと聞いてもあまり驚かなかった。まだ39歳だというから「夭折」の部類に入るんだけど、なんだかそんな感じがしない。公式ホームページに行こうと思ったらアクセス不能。ご冥福をお祈りします。
▲高田馬場をうろうろ。欲しい本があって古本屋を数軒回ったのだが見つからない。ネットでもダメ。でも何となく新古本をブックオフでゲットして帰る。
▲FIFAワールドカップ。「イングランド対ナイジェリア戦」。冴えない試合だなと思ったら、「暑かった」かららしい。たしかに昨日、今日と蒸し蒸しした陽気。湿度はうっとうしいいだろうな。
▲オンライン書店bk1にぼくが書いた藤原新也さんへのインタビューが掲載されています。興味のある方はどうぞ。
■<ホラー>山田風太郎&半村良/追悼企画 日下三蔵氏に聞く(東雅夫)
■ヤスケンの編集長日記!  6月10日(月)晴
■ヤスケンの編集長日記! 6月8日〜9日


2002/06/11/Tue.
▲晴れのち夕立?
▲別に。
■<ホラー>『ホラーを書く!』文庫化に寄せて (東雅夫)
■ヤスケンの編集長日記! 6月7日(金)晴
■<ヤスケン>「今週のおススメ」より 第69回★車谷長吉『贋世捨人』(『新潮』7月号)


2002/06/10/Mon.
▲晴れ。
▲とくになし。
■ヤスケンの編集長日記! 6月6日(木)晴


2002/06/09/Sun.
▲晴れ。
amazonから宅急便が届く。頼んだのは5月19日。すっかり忘れていたけれど、とくに急いでいたわけではないので痛痒は感じないけど。
『Case History』はウクライナのカルコフ在住の写真家ボリス・ミハイロフ(Boris Mikhailov)の写真集だ。『アサヒカメラ』の記事でこの写真家の存在を知り、昨年訪れたウクライナの写真家ということもあって興味を引かれて注文した。
▲分厚い写真集だが、中身はもっと重たい。ミハイロフはカルコフ生まれのカルコフ育ちで1938年生まれ。社会主義政権下(ソ連)時代から資本主義社会へウクライナが移行した時代をその眼で見ている。その結果、どんな現実が生まれたか。大量のホームレス、それも老若男女を交えた家族のような(実際の家族もいるだろう)ホームレスたち。
▲ぼくも旧社会主義政権の国々、例えばモンゴルで大量の少年ホームレスたちを目にした経験があるが、ウクライナへ行ったときには、それほど深刻だとは感じなかった。この写真集を見る限り、ホームレスにはホームレスのコミュニティーがあり、一般の人たちの生活と線引きがあるようだ。身体障害者、精神障害者、子供、老人。
▲彼らをドキュメントしただけでもユニークな写真集になっただろうが、ミハイロフはさらにとんでもない発想で彼らを捉える。彼らをヌードにし、恋人と抱き合わせたり、立ちションベンをさせたり、縫った傷跡を剥き出しにさせているのだ。
▲痛々しい。しかし、その痛みをを超えて、そこには奇妙なユーモアが漂ってもいる。人間が裸になってしまうと、そこはかとない温かみが生まれるんだろうか。その表情の照れくさい感じ、しかし、どこか開放されてもいる感じがユーモラスなのだ。同じ人間だよ、とメッセージを伝えてくるような。
▲しかし、グロテスクで目を反らしたくなる写真も多く、その振幅の大きさに揺さぶられる思いがする。戸惑いながら、450ページ超のカラー写真を見終えた。
▲この写真集のタイトルは『CASE HISTORY』。前書きでは、ミハイロフが見てきた社会主義から資本主義へと移行した社会の変容と、そこでミハイロフがどうやってこのような写真を撮ったかを書いている。モデル代としてささやかな金額の謝礼を払いながら撮ったというこの写真には、被写体との馴れ合いを拒否するような厳しさがある。唸ってしまった。
▲ほかに元ちとせのミニアルバムを2枚。かなりいい感じ。
▲いい天気だが、結局、うちで仕事をしようと決めたのだが、たいして進まず。というのは今夜の「日本VS.ロシア戦」(8時30分〜)が気になってそわそわしていたからだ。
▲日本チーム、見事に勝利! すばらしい。「ベルギー戦」を見て、イメージしていたよりも日本チームはずっと強いんじゃないかと思っていたのだが、そこからさらにディフェンスに磨きが掛かった印象。
▲レッド・モヒカンの戸田、マスクマン宮本、どこかカントリーボーイ風な中田浩のフラット3はもちろんだが、シュートを決めた稲本、再三ゴールを急襲した中田英ほか11人全員が活躍した。いい試合だった、と思う。
▲対照的にかっこわるかったのは客席の小泉首相。前首相の森のおっさんとツーショットで旗を振ってる姿はバカ丸出し。シラケた。
▲で、勝利した日本チームの選手たちのインタビュー。落ち着いていて実に大人だと思う。ああいう冷静さを持つスポーツ選手ってなんか新鮮だったな。
▲ロシアではサポーターが暴徒と化したという。サッカー・フィーバー恐るべし。
■ヤスケンの編集長日記! 6月5日(水)晴


2002/06/08/Sat.
▲晴れ。
▲部屋探し。なんとなくピンと来る物件を発見。借りることに。審査があるとのことなので、書類を書く。しかし、いつも思うけど、この保証人制度ってやつ、貧乏人、親類家族との縁が薄い人イジメだなあ、と思う。良識的な店子ばかりでないから、貸す方も自衛手段を取っていることは分かるけど、やはり気分が悪い。
▲「ブラジル対中国」。中国はコテンパン。「イタリア対クロアチア」。トッティ無念。


2002/06/07/Fri.
▲晴れ。
▲bk1で東雅夫さんを迎えての打ち合わせ。<ホラー>サイトの夏の特集企画について。
▲中野をほっつき歩く。
▲中央線沿線で打ち合わせを口実に飲み。う。いろいろなことが決まった……ような気がする。電車で無事帰宅。
■ヤスケンの編集長日記! 6月4日(火)曇


2002/06/06/Thu.
▲晴れ。
▲高梨豊さんの「レンズ論」について訊く。夏らしく、ゼリーなど買っていったりして、版元のO嬢と三人で黙々と食べた。すっかり夏。
▲今日のヒットは高梨さんがおっしゃった言葉。「二十歳過ぎて巨人ファンなんてのは成長していない証拠」。というのは、高梨さんが赤バット、青バット時代の巨人のファンだったからだ。至言ナリ。ぼくも十代の頃、一年間だけ巨人ファンだった時代があったなあ、などと思い出してみたり。
▲美女二人と歌舞伎町のタイ料理屋。結局飲んでしまう。


2002/06/05/Wed.
▲晴れ。
▲焼き肉→カラオケ→バーという、ある意味で典型的な一夜。最近の歌は歌唱禁止という恐怖カラオケ。久しぶりに「若いモン」の側に入った感じ(笑)。


2002/06/04/Tue.
▲晴れ。
▲FIFAワールドカップ「日本対ベルギー戦」(午後6時〜)を見に行く。家人がサッカー好きなので、義母、義妹と4人分根性で(?)チケットを取ったのだ。
▲ぼくはサッカーにはとくに関心はないのだけれど、やはり前回のワールドカップの時には興味を持って本を読んだりもした。金子達仁の本を読んで代表チームの選手たちを身近に感じたりもした。
▲混乱が予想されたので、キックオフの3時間ほど前に着いたのだが、スタジアムのある浦和美園駅の周辺はチームカラーの「青」一色。マジかよ、と思う。というか、ぼくも一応青いポロシャツなど着てみたのだが……。
▲ベルギーのサポーターたちの姿もちらほらとだが見かけることが出来た。日本人サポーターと記念写真を撮っている。
▲サポーター、なる言葉の響きがこっ恥ずかしいので、自分はサポーターではなくて単なる見物客だな〜と思い、売店でビールを買うこともままならない行列に呆れ、「サポーター」氏たちの偉そうなサッカー評論が頭の後ろから聞こえてくるのは気分が悪かった。サッカーについて語ることは知的なことだということになっているのか、野球を語るそれよりも、偉そうで訳知り顔。文句があるならお前がピッチに立ってみろ! と言いたくなるような「評論」。ムカつく。
▲しかし、試合が始まると、そんなことを考えている余裕はまったくなくなった。にわか「サポーター」になり、声を張り上げて応援してしまった。アハハ。
▲まったくのシロウト目に見ても、日本人選手は身体が大きいベルギー選手に負けていなかった。とくに空中戦でのジャンプ力が鮮やかだった。テレビではあまりよくわからなかったのだが、選手たちは力強く、美しいと思った。
▲ハーフタイムにビールを買えたのだが、後半戦は前半を上回るエキサイトぶりで、ビールを飲むどころではなかった。終わってみれば引き分けだったが、ぼくの目からは日本はベルギーを圧倒した、と感じられた。
▲しかし、実際に試合を見に行っての収穫は、サッカーがなぜフーリガンのような暴徒を生むまで盛り上がるのか、その秘密の一端が窺えたことだ。野球なら攻守の交代があって、酒を飲んだり、焼きそばをパクつく余裕があるが、サッカーは45分ハーフ、選手も観客も走りっぱなしだ。チャンスを得ては盛り上がり、逃しては落胆する。その時間が45分ぶっ続けて2回続けば、エキサイトもしようものである。
▲帰りも混乱は特になかった。引き分けではやはり盛り上がらない……。整然と電車に乗ると、夢から覚めたように、それぞれの家路についた、といったところ。
▲いちおう、試合前におむすびを食べたのだが、叫んだし、立ったり座ったりでおなかが減り、大久保の延辺料理屋に入る。ちょうど「韓国対ポーランド戦」の真っ最中。延辺料理というのは朝鮮半島の根元、中国東北部に住む朝鮮族の料理で、串焼きのほかはキムチとか韓国朝鮮料理の店。
▲韓国優勢のまま、歴史的ワールドカップ初勝利を挙げ、ささやかながら盛り上がる。しかし、店主は朝鮮系中国人で、昼間、中国がボロ負けしたことを悔しがっていた。試合が終わった頃にやってきたのは中国人留学生たちだった。彼らはサッカーには関心がない様子。ボーダーレスな街だ。


2002/06/03/Mon.
▲晴れ。
第19回写真『ひとつぼ展』でグランプリを受賞したCHUNG WAISUN(ERIC)くんを写真家の中藤毅彦くんに紹介してもらう。ERICくんの作品は海辺の人(少年、少女、若い女性などなど)を正面から撮ったポートレート、ハワイ、ブラジルなどの海辺のスナップ、香港のスナップなどだが、どれもストロボ日中シンクロという手法で、超現実的な鮮やかな光景を写真にとどめている。興奮。
▲彼は香港からの留学生で「日本語をおぼえて香港で旅行ガイドでもやろうと思っていた」(本人談)そうだが、偶然、写真の面白さにめざめ、専門学校に通ったという。ひょうひょうとした雰囲気は、内藤正敏さんの「スナップを撮る人は、撮った相手にニカーッと笑うと憎めないと思うような資質が必要」という言葉を思い出させる。ERICくんには次号の「季刊クラシックカメラ」のために撮り下ろしをお願いすることに。ご期待下さい。
▲宇多田ヒカルの新作CDのプロモーションで、森山大道が写真を撮り下ろし、6月19日から全国のCDショップ約100店で写真展を行なうという。宇多田ヒカルの公式サイトhikki's websiteでCD予約の特典となるポスターの画像を見ることが出来るが、ヒッキーファンへのサービス無用の森山節全開。さすが。
▲森山大道さんも最近、公式ホームページを立ち上げた。こちら。そういえば、最近、大物写真家の公式ホームページ開設のニュースをよく聞く。リンク集作っておこうかな。
■ヤスケンの「今週のおススメ」 第68回★村井康司『ジャズ喫茶に花束を』
■<ホラー>ド・クインシー著作集完結記念/担当編集者インタビュー
■<ホラー>2002年6月上旬★めぐるめぐるよ時代はめぐる──横溝正史生誕百年記念本、『ド・クインシー著作集』ほか


2002/06/02/Sun.
▲晴れ。
▲高村薫の『晴子情歌』()について書く。今度の作品は高村薫がこれまで書いてきたミステリーやサスペンスというジャンルではない。したがって、がっかりする読者も多いかも知れない。個人的には、今後の高村薫の作品がどうなっていくのか、その過渡的な作品として読んだ。濃密な味わいはこの著者ならではのもの。(書評は現在にぶら下がってます)
▲「スペイン対スロヴェニア戦」。3対1でスペインの勝ち。後半、ややマジにスロヴェニアを応援。200万人ちょっとの人口しかない小国。ぼくは首都リュブリャーナと風光明媚なブレッド湖を訪れたことがあり、なんとなく良い印象を持っている。と、言いつつスペインも楽しかった思い出が……、まあ、判官贔屓です。スロヴェニアはワールドカップ初出場。旧ユーゴからはお隣のクロアチアも参戦している。スロヴェニアについて興味のある方はこんにちは! スロヴェニア をどうぞ。
■ヤスケンの編集長日記! 5月30日(木)曇


2002/06/01/Sat.
▲晴れ。
▲二日酔い。
▲高村薫の5年ぶりの書き下ろし長篇小説『晴子情歌』()読了。ふう。やや戸惑う。
▲部屋探し。部屋を探すのはめんどうくさいが、いったん、物件の内見をはじめるとけっこうハマる。住んだらどんな生活になるのか、なんて想像するのは楽しい。それに、「マジ?」っていうヘンテコ物件を見るのも面白い。とはいえ、肝心の引っ越し先はまだ決まらない。どれも帯に短し襷に長しといったあんばい。
▲「ドイツ対サウジアラビア戦」。サウジ、ドイツにコテンパンにされる。8対0。かわいそ。
■ヤスケンの編集長日記! 5月29日(水)曇


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